2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

家庭内ストックホルム症候群

家庭内で虐待を受けてきたサバイバーは、生き残るためにとる手段として、「親を好きだと思う」ことがしばしばあるようです。自分で自分の心にフタをして、逆に親をいい人だと思うことで生き延びようとします。ストックホルム症候群は、ストックホルムで実際…

明治生まれの祖母

私の母方の祖母は96歳で、天寿を全うしました。東京生まれの東京育ちで、ヒロシくんはシロシくん、化粧品はケショウシン、ヒがシになってしまう江戸っ子で、七人兄弟の末っ子でした。 疎開先(関東大震災)の国府津から同じ電車で通う祖父に見染められて、結…

誰が十字架を背負うのか

実父からの性虐待を告白した私に、母は言いました。「これからは家族全員が十字架を背負って生きるのよ」と。 小学生の私は、ズシッと背中に大きな十字架を背負った気持ちになりました。家族からの性虐待は人にはいえない秘密であり、消えない傷です。これか…

「橋の下で拾ってきた」という母

子供は動物のように感覚的に生きているので、案外、大人の精神状態も見抜いています。母は情緒が不安定で、トランキライザーという精神安定剤をよく飲んでいました。 もちろん機嫌がよく、優しい面もあるのですが、同居する姑を憎んでいましたし、親戚も大っ…

実父からの性的虐待

私が実父から受けていた性的虐待を母に打ち明けることができたのは、小学校高学年の頃です。 わが家は当初、平屋でしたが、その頃は建て増しして二階屋になっていました。毎晩、性虐待を受けた子供部屋は、そのいちばん奥にありました。 休日だったのか、あ…

性虐待サバイバーとして生きる2

先日、性暴力サバイバーの方々とお話する機会がありました。 人それぞれ、さまざまな後遺症やPTSDを抱えながら、ゆっくり回復してきていました。まだ完全とはいえないまでも、少しずつ少しずつ乗り越えていく。 何か強い傷を負った樹木のように、人間が生き…

心の通わない家族

昨日の続きです。うちの場合は、加害者であった父親がアスペルガーで、人の気持ちが基本的にわかりません。そのために性虐待が起きたのですが、今でもやめて!と、懇願したことをやり、すぐに境界線を超えて、他人の領分に介入してきます。自分と他人の区別…

本当の毒出しは40代から?

性虐待に限らず、機能不全家族に育った人は、原家族となんとか折り合いをつけるため、生存本能として自分が生きやすいように、都合のいい解釈をして生きてきています。 きっと親は自分のことを大事に思ってくれているに違いない、と信じることで生き延びたの…